生きて明日も戦う
5/3〜7まで上演されていた、舞台権乱業火の感想です。
推しが久々に主演の舞台なのとGW期間で休みだし暇だったのでそこそこチケットは買っていたのですが、観る前は本当に行くのが嫌でたまらなかった*1のと、つまんなそ〜って思っていたのでモチベがド低かったです。主演なのにモチベ低いってなに?やばない???????疲れてたのかもしれない。*2
観た後は、行きたくないとか言ってたの反省しました。すごくたのしかった。面白かった。小学生の感想かな。
あらすじ
簡単に言うと火消しの話。
私が説明するより公式が出してるこの画像見た方が早い。ただ、このあらすじ死ぬほど目が滑る。私がつまんなそうという印象を抱いていた理由の一つがこれ。その他の理由は今作と同じ演出家の別舞台を観たことがあるんだけど、個人的に好きじゃないから。*3
舞台「#権乱業火」の世界観の構図を公開!
— SAB-on (@sab_on0404) 2023年4月23日
事前に把握しておいていただけると、より物語に入り込みやすくなるかも!?
なお、本作では「狼火」「雷火」「烈火」の3組が中心となる物語となります!
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今作に出てくるのは烈火組、雷火組、狼火組、あと業の偉い人が1人、天火が1人です。他の組は出てこないので気になりますね。
時代設定が謎ですが、衣装が着物風なので江戸時代辺りイメージかなという感じ。明言はされていないので江戸時代風パラレルワールドって言った方が良いのかもしれない。現代語とか普通に使ってたし…。
火事場を担った件数、担った火事場での鎮火までの時間および救助者の数など諸々点数つけて評価するように制度変えるね!ってなって9つの組で争うようになるというのがベースの設定。火事場に纏旗*4を立てたら、その火事場を担う権利を得ることができて他の組は手出しできないルール。*5
ちなみに天火だけは頂点から引き摺り下ろされることはない。ずるい。
てか火消しの数…多くない?全部の組一ヶ所に集まってる訳じゃない?そもそも点数での評価云々以前にそんな頻繁に周辺で火事起きるのやばない?って思ってたけど伏線も仕込まれてそう。
登場人物
24人出てくるんですけど、よく考えたら多いよね。人数多いわりには結構どの組もちゃんと見せ場があって大変良かった。
組に所属する人たちは全員その組を表す漢字が一文字名前に入ってるので、まあ似たような名前が多いこと多いこと。誰が誰?ってなる。
全員説明してたら一生終わらないからメインどころだけ。私の解釈と要約とネタバレが含まれています。
流:主人公
どこの組にも所属してない一般人。スリや空き巣で生計を立てていて育ちが悪く口も悪い。幼馴染の狼太が火事で亡くなったことで火消しに関わりを持つようになる。狼太を死なせた狼翔に怒りを爆発させる。主人公だからってめちゃくちゃ出番が多い訳でもなかった。
狼火組
狼翔:狼火組親方*6
自分の判断ミスで狼太を死に追いやってしまったと思い、序盤は酒に逃げている。紆余曲折あって終盤はかっこいい親方の姿を見せてくれる。
狼太:狼火組若頭
故人。「まだ絶対死ねない」って言って大きなフラグを建てたと思ったら秒で回収した。序盤で死んだけど回想シーンとか幽霊?みたいな感じでちょいちょい出てくる。
他組員:狼喜、狼凛、狼葉、狼双、狼明
雷火組
雷夢:雷火組親方
口調は厳しいけれど、ただ厳しいだけじゃなく部下の成長を促すような導き方をする人なので個人的に上司にしたい人ナンバーワン。
雷星:雷火組若頭
ちっちゃくて可愛い。真面目で優しくて組員達にも慕われてる若頭。終盤の見せ場が最高に良かった。
他組員:雷蝶、雷兎、雷紗、雷礼、雷未
雷火組は女性のみで構成されているので、わちゃわちゃしてるシーンとか女子校っぽい。可愛い空間。
烈火組
烈永:烈火組親方
私の女子の推しとなった。他の組を邪魔したり、冷徹な判断だとか言動で組員達に氷のように冷たいとか言われてるところもあるけど、でもそれは先代から受け継いだ都火消の座を自分なりに守るためで悪ではなかったと思う。悪役っぽいセリフはあったけど。
烈朗:烈火組若頭
流、狼太と同郷出身で流の兄貴分。最初の登場シーンで恋はいいぞ〜とか言ってたから色ボケキャラかと思ってたら全然違った*7。人間くさい感じとっても良かった。
他組員:烈夜、烈我、烈波、烈打、烈光
作中では悪役のような見せ方だったけど、悪事を働いてるわけではないのでライバルって言った方が近いかもしれない。バトル物とかで主人公のライバルとかが好きなタイプはわりと好きだと思う。
天火組
天馬:なんか企んでそうな人その1
業の人と腹の探り合いしてて一筋縄じゃいかなそうな女の人って印象だけどちょいちょい可愛いとこあったギャップ*8。天火は観察者の立場〜ってセリフがあったから、天火って現場に出て火消しの活動とかしないんだろうか。
業
業温:なんか企んでそうな人その2
まあ胡散臭いおじさん。火消し全てを取りまとめてる上の組織のお偉いさんっぽいけど、現場に出向いてるからそんなに業の中での地位は上ではないのかな。立ち位置不明。業の人って何人いるんだろう。
馬鹿長い感想
(最初と最後以外読まなくてもいいレベルの感想)
各所で言われてるけど、少年マンガみたいなアツい展開で最高に良かった。ツッコミ所は多少あれども私は好きだしハマる人はハマると思う。
やけに火事多いから正直私はどっかの組が自作自演で火つけたりしてんのかな、とか思いながら観てたらそんなことはなかった。そこまで悪どい組はいなかった模様。出てない組は知らない。放火犯はいるっぽいし業が黒幕みたいな雰囲気あるけどミスリードかもしれないしどうなのかな。
烈火組は悪役みたいな立ち位置ではあったけどね。火事場に向かう雷火組の前に立ち塞がるシーンとか。ただ休憩で立ち止まってるだけ、とか目の前に立って圧掛けてるだけで殴ったりはしてないし邪魔と言えるのか微妙なライン攻めてる狡猾なところ好きだった。
中でもこのシーンの烈永親方が最高にツボだった。めちゃくちゃ好き。火事場に向かう組は7人以上はダメとかいう謎規定があるんだけど、諸事情で流がいるから8人じゃん!って詰められてる返しでじゃあ1人クビにしますって容赦なく組員切り捨てる冷徹さとか*9。そこで狂ってるって言われて「火消しなんて狂ってないとやってらんないでしょ」って返すんだけど、それが死ぬほど刺さったね。嘲笑しながら言うのがすごく良かった。オタクも狂ってないとやってらんないよね…みたいな。黙ります。
あとは、火事場で中にまだ生きている人がいるのに火の手が大きすぎてもう助けられないから、切り捨てて少しでも点数稼ぐために延焼阻止にシフトするシーンとか。一緒に行動してた流は、生きてる人間がいるのに見捨てるなんてって助けに行こうとするんだけど止められるんだよね。「火消しの仕事は一緒に死んでやることじゃない。目の前の火を確実に鎮火させることだ」って。どちらの言い分もわかるし烈永親方も好きで見殺しにした訳じゃないと思う。
流は素人だから火事場のこと何も分からないし無責任なこと言えるけど、火消しって火事で逃げ遅れた人助けてそれで終わりじゃないんだもんね。周りに燃え広がらないようにすることも仕事だし、無理に助けに行って共倒れになる可能性も考えた上での判断だろうし、生きてる人を見殺しにしたからといって一概に悪であるとは言えないと思うから難しいなと思いました。流とはここで考え方の違いで対立してしまうんだけどね。
烈永親方は点数のことも考えてたけど、組員達の命を預かる責任もあるから、これ以上犠牲者が出ないように冷徹な判断を下さなければならない葛藤を思わせる表情とかも見てとれて辛くなった。
単に冷たい人なだけだったら私も好きになってないよ。
終盤で大きな火事が起きて、烈火組と雷火組と狼火組で火事場を取り合うところが大変アツいシーンでしたね。基本的には組の若頭が纏旗立てに行くんだけど、道中で烈朗が纏旗で雷星ちゃん攻撃して邪魔するのガチで怖かった。床にドンって纏旗当たる音すごい怖い。わりと響く。まあそれはどうでも良いのですが。攻撃されても怯まずに相手取る雷星ちゃんがめちゃくちゃかっこ良かった。
烈朗は自分を拾ってくれた烈永親方に恩を返すために、火事場取ろうとなりふり構わず必死なところとかすごく泣けてきた。人を傷つけてまで邪魔するのはダメだと思うけど、この火事場を落としたら後がないっていう焦りもあっての行動だから必死さもわかるし何とも言えない。都火消のプライドもあっただろうし、下に見ていた野火消なんかに負けるわけないってがむしゃらに火事場に向かって走る時の想いの叫びがしんどかった。報われないからね。
烈火組好きすぎて永遠に感想書いてしまうしここまで主人公の感想がないんだけど、細かい演技が好きで特に語りきれないというだけなので無いわけじゃないです。
狼火組にガチギレで乗り込んで来たシーンで焼け跡から拾ってきた狼太の骨取り出した時に怒りで震えてる手とか、烈朗に火消しに向いてるからなった方がいいってしつこく言われて拒否る時の火消しに悪い印象しか抱いてないのが分かるセリフの言い方とか。色々。日替わりのアドリブとかも楽しかった。
終盤で雷夢親方が大規模な火事場で組員たちに危険を感じたらすぐに逃げるように指示したあと「逃げた奴はまた明日も戦える!生きて明日も戦うよ!」って言うセリフが好きなんですけど、ついこの間演出家が我ながら良いセリフとかツイートしてるの見て死ぬほど萎えた。言わない方が絶対良かったよ。自画自賛は見ると寒い。
全体的に声張り上げて叫ぶシーンが多かったし、女の子たちも声量すごくてパワフルでかっこ良かった。めちゃめちゃ良かったけど、狼太(というか綾切さん)の演技だけずーっと気になってる所があって微妙な気持ちで観てた*10。でも最終日辺りは1番気になってた部分若干マシになってたので映像で残るなら楽日のマチソワどっちかがいいな。
伏線放り投げたままで終わってどうするのかと思ったら続編制作するっぽい。狼太は放火犯の黒幕に近づきすぎて消された説押してるので答え合わせしたい。期待してる。あと狼火組に入ってからの流とか烈火組のその後とかも気になる。これは無さそうだけど同郷組の過去エピソードとかも観たい。
本編とは何も関係ないのですが、劇場内BGMが演出家の過去作の主題歌だったので思い出して勝手にしんどくなるなどしていた。おわり。
*1:連休って人多いじゃん
*2:推し事ではなく普通に仕事が忙しくて。繁忙期
*3:別舞台もつまんない訳ではないんだけど脚本も演出家の人だと鬱展開が多くてしんどい。何回も観てられない
*4:組の名前が書かれてる旗
*5:手出したとしても旗立てた組以外には点数が一切入らないので手伝うメリットもない。妨害も禁止の模様
*6:組をまとめている人は親方と呼ばれる
*7:結局恋してる相手分からなかったけど烈永親方なんだろうか。アドリブで流が聞いてくれた回あって沸いた
*8:マウント取ってちょっと嬉しそうなとことか
*9:実は足止めのための演技
*10:他の人との掛け合いのシーンとかなんか浮いてるな…と思って。セリフの言い方かな